日点委の概要
日本点字委員会について
日本点字委員会(日点委)は、日本における点字表記法の唯一の決定機関として、1966年に発足した団体です。
日本の点字は1890年に制定され、文字そのものは統一したものが全国で使われていましたが、日本点字委員会が発足するまでの点字表記は、各点字出版所や点字図書館などによって独自の表記法を採用していたため、出来上がる点字図書や点字教科書に表記の違いが見られ、そのことに対して問題点の指摘や表記の統一が求められていました。
表記の統一の運動は、始めは盲学校を中心に行われていましたが、教科書を製作している点字出版所や点字図書館などすべての点字関係者を網羅した組織が求められるようになりました。
そこで、盲学校の全国組織である全日本盲教育研究会と点字図書館や点字出版所が加盟する全国組織である日本盲人社会福祉施設協議会からそれぞれ代表委員を選出し、代表委員会が推薦する学識経験委員を加えて、日本点字委員会が組織されました。
日本点字委員会の主な事業は、
- 点字表記法の決定と修正
- 点字表記法の普及と徹底
- 各地域関係各界における点字研究機関の育成と指導
- 内外関係諸団体に対する連絡と交渉
- 会誌の編集と発行
さらに、「資料にみる点字表記法の変遷」の発行、「点字の啓発パンフレット」の配布など、点字の普及・啓発にも力を入れています。
また、委員を中心に全国各地で地域小委員会を定期的に開催して、点字表記に関する研究と普及を行い、それらの成果を持ち寄って研究・協議する総会を年1回開催しています。総会は委員・事務局員・会友に限らず、広く点字関係者の参加を呼びかけ、日本の点字表記について誰でも自由に発言できるように配慮するなど、「開かれた日点委」として点字関係者の情報交換の場となっています。
そのほか、WBU(World Blind Union)に委員を派遣し、世界各国とも連携して点字の普及に当たっています。