本日、日本点字委員会は創立50年を迎えました。
今から50年前の1966年7月30日、盲教育界を中心とする日本点字研究会が解散し、新たに盲教育界と盲人社会福祉界(点字図書館と点字出版所)から、それぞれ5名の委員を出しあい、そこに学識経験委員若干名が加わることで、日本点字委員会を発足させることが決まりました。当時、盲学校・点字図書館・点字出版所では、それぞれが独自の点字表記を使用していたため、これらを統一する機運が高まったからです。
日本点字委員会は、教育・出版・ボランティア、それぞれの立場を代表する委員が一堂に会することで、皆が使える統一的な点字表記法を決定し、普及させることを目的としています。その根本の精神は「読みよく、書きよく、分かりよい」点字を広めることです。
この目的を達成するために、日本点字委員会では1971年に最初の点字表記法を発行し、以来、2001年までに3回の改訂版を発行してきました。規則の不備を正し、きめ細かく整備するための改訂であったことはもちろんですが、同時に、多様化し変化してゆく日本語への対応や、中途視覚障害者が増える中での点字のありかた等も考慮し、研究協議を重ねた結果が、それぞれの表記法にまとめられています。そして今、新たな改訂作業を進めているところです。
昨今は、点字使用者の減少が話題になることが増えました。実際、熱心な点字使用者でも、パソコン等の音声読み上げ環境の向上から、点字を使う場面が減っているかもしれません。しかし、触読文字としての点字の有効性はいささかも揺らぐことはありません。ルイ・ブライユの考案した6点式点字は世界中に広がっています。そこに富める国・貧しい国の差はありません。これこそが、点字がいかに優れた文字であるかの一つの証拠と言えるでしょう。
わが国において、点字を読む人、点字を読む環境が変わるにつれ、今後も点字の表記方法は新たな見直しを求められることでしょう。私たちの活動に終わりはありません。これまでの道のりと同様、これからも日本点字委員会は点字と点字を使うすべての人と共に歩んでいきます。これからも、日点委へのご理解とご協力をお願いいたします。
2016年7月30日
日本点字委員会